アルディーノでダイニングの灯りも - Arduino, ESP-WROOM-02 ▲factory top


前回の 「アルディーノで居間の灯り」 で、ラズパイを司令塔にして複数のアルディーノをコントロールすると 「部屋のいろいろな灯りを ~ 同時に操作することが出来る」 と書きましたが、、

 

ボタン一つで灯りが連動すると、、便利でした(笑 2024 May

居間は明るいのに食卓コーナーは暗いのは何か落ち着きません。 その逆もしかりで、 居間は少し暗くしたのに食卓コーナーは明るいままなのも落ち着きません。 居間の明るさが自由に変えられるようになると、 食卓コーナーや台所など、 部屋の他のコーナーの明るさも合わせて変わって欲しくなります。

部屋の明るさは隅々まで同期してコントロールされるか、 周辺はメインより少し暗めだけどオフではない感じが良いように思えます。 ちなみに、メインはその時の居場所により居間だったり食卓だったりします。

さて、 これまでのダイニングの灯りは普通のLED照明です。 明るさは付属のリモコンで操作します。 なので、スマホで居間の明るさを変える度に、 わざわざダイニングのリモコンを操作する羽目になりました。 これでは面倒なので、ダイニングの灯りも作ることになりました。

そして、ボタン一つで灯りが連動するようになると、、便利でした。 これが当たり前になってしまいました。

これまでの灯り、普通のLED照明でした 今回作った灯り、拡散板をつける前の状態です
蛇足:元々は食卓はペンダントライトでしたが、 食卓の上をすっきりさせたく天井照明にしていました。

 

操作性の改善 2024 May 25

最初は白熱電球時代の調光器の感覚で、スライダーUIを使いましたが、 スライダーを動かすのが面倒なのと、 だいたい使用パターンが見えてきたので、 タッチするだけのお気楽ボタンUIにしました。 このボタンひと押しで居間とダイニングの明るさが変わります。 それぞれ調整したい時はスライダーUIを使います。 これらの改善は全てラズパイ側のコードで対応されます。

部屋の灯りタブ(旧) 部屋の灯りタブ(新)

Kitchen はまだ機能していません
この様な部屋の灯りのコントロールは、 アメリカ西海岸辺りでは Audio Visual 等のコントロールの一部として 専門にシステムを組んでくれる業者がいるようですね。 ボタン一つでカーテンが閉まり照明が暗くなり、 大きなスクリーンが下りてきて大音響で Audio Visual が楽しめる。 みたいな。

回路 2024 May 22

基本的に居間の灯りと同じですが、 居間の灯りを踏まえ部品点数を減らし簡素化しました。

最初は、居間の灯りの時の気付きで 3.3V は 48V を抵抗で電圧ドロップし 3.3V三端子へ給電しました。 ところが、いざ電源を入れてみると ESP-WROOM-02 がうまく起動しません。 検索してみると ESP-WROOM-02 はモジュール内の WiFi 回路が起動する際に 300mA 程度の電流が短時間流れるそうです。 定常電流の 80mA とこの突入電流で条件を満たす抵抗値は存在しない、 すなわち抵抗では実現できないことが分かりました。

定常消費電流 80mA で 3.3V三端子の耐圧 30V を超えない為には (48V-30V)/80mA=225Ω以上の抵抗値となります。
突入電流を 300mA として 3.3V三端子に 5V 程度の電圧を与えるには (48V-5V)/300mA=143Ω以下の抵抗値となります。
すなわち、条件を満たす抵抗値はありません。

まぁ、何ドロップであれ 48V から給電すると (48V-3.3V)x80mA=3.6W が熱になるわけで、省エネでありません。 結局今回も低電圧専用の AC-DC を使うことになりました。 さらに、レイアウトを決めてからこの事実が分かったので、 2つの AC-DC は親亀の上に子亀になってしまいました(笑。

リセット回路は ESP-WROOM-02 モジュール内のものを使うことにして、 外部の電源投入時リセット回路は省略しました。

 

製作 2024 May 27

居間の灯りよりは簡素化しました、大きな2つの抵抗は1.3Ωです (クリックで拡大)
ファンを取り付ける前です(クリックで拡大)
ファンを取り付けた状態です。 今回は天井の引掛けシーリングに取付けます(クリックで拡大)
暫定の拡散板にて、居間の灯りと(ほぼ)同じですね

 

部品

固定IPアドレスを一つ追加

ターゲット 固定IPアドレス MACアドレス 接続方法
RasPi http://192.168.1.6 b8:27:eb:4c:0a:14 SSID2 接続
Arduino(ESP-WROOM-02)居間 http://192.168.1.7 3C:61:05:D6:C3:D9 SSID2 接続
Arduino(ESP-WROOM-02)ダイニング http://192.168.1.8 3C:61:05:D5:90:30 SSID2 接続
Windows PC http://192.168.1.4 有線接続
※今回追加

 

ソフトウェア 2024 May 24

アルディーノのコードは、基本的に居間のアルディーノと同じです。
「アルディーノで居間の灯り」→ ソフトウェア

両者の違いは、識別子とIPアドレスの2点だけです。
  • 識別子(名称)
    壁のスイッチで電源を切られると設定されていた明るさデータも消えます。 そこで起動時にラズパイに前回の設定値を毎回問い合わせます。 その際に自分はどの照明かを伝える為の名称が違います。
      Serial.println("\nconnected and request initial data.");
      // 初期値リクエストコマンド送信
      //client.write("lightL\nstart\n.\n.\n.", 19);
      client.write("lightD\nstart\n.\n.\n.", 19);
      //client.write("lightK\nstart\n.\n.\n.", 19);
    

  • IPアドレス
    アルディーノチップのMACアドレスが異なり、 ルーターが割り当てる固定IPアドレスが違います。
一方、ラズパイ側のコードには幾つかの改善が入りました。
ラズパイのコードは GitHub へ。

 

開発環境「スケッチ」からエラーが

久々にスケッチを起動しコンパイル&ロードしている内にシリアルポートからエラーが。
A fatal esptool.py error occurred: could not open port 'COM3':
PermissionError(13, '~文字化け~', None, 5)

動作していたシリアルポート番号ではアクセス出来ないと言われます。 この辺りの仕組みはよく知らないので検索し以下の指南に従いました。 エラーが出たら新しいポート名にするという回避策で、 エラーの原因や解決にはなりませんが、、まぁ、これで良しです。

  • Windows Device Manager より、項目「ポート(COMとLPT)」で、 エラーの出るポートを右クリ
  • プロパティ → ポートの設定 → 詳細設定、を選択
  • ポート番号(選択)プルダウンメニューから、空いているCOMポート番号を選択
  • OK で戻り、PC を再起動

 

今後の課題

拡散板を暫定のコンビニ袋ではなくちゃんとした拡散版にしたいのはもちろんですが、
居間にいて見渡せる空間は、 居間とダイニングに加え、 対面式の台所と廊下につながるコーナーがあります。 この部分の灯りも連動するときっと面白いと思いますが、 その辺はまたいずれ時間を作って、、

その後の Tips


パワーLEDが次々と故障しました 2025 Doc 3

自作のLED照明を使い始めて、 居間の方は1年3カ月ほど使った頃(2023/nov-2025/feb)、 食卓の方は8カ月ほど使った頃(2024/jun-2025/feb)、 光がチラつくようになりました。 明るくするとチラついた後消えるようになり、 その内暗くなってしまいました。 調べてみると、原因は下のごとくパワーLED内の不点灯でした。

正常な点灯: これを見ると 1W 程度の LED が9つ封止され 10W 仕様となっているようです
居間の方は9つの内2つしか点灯していません 食卓の方は9つの内4つしか点灯していません

各パワーLEDはシリーズ接続なので1つでもこの状態になると、 他の正常なLEDにも本来の電流がながれなくなり、 全体として一気に暗くなります。 故障したパワーLEDは1つではなく、居間も食卓も2つ故障していました。 半数がダウンしたことになります。 居間と食卓の稼働時間の差が半年近くもある原因は、 電源などが違う為一概には言えません。 食卓の方はパワーLEDに放熱グリスをぬるのをサボったこともあるのでしょうか。 しかし、それよりむしろ、 ノンブランド品(おそらく中華製)のLEDの「当り」が悪かったのでしょう。

 

一方で、ノーベル賞を取った青色LEDを発明した日亜化学の 高品質なパワーLEDなどは安価に市場に出回っていません。 使用目的に合った良質で安価なパワーLED探しは現状では結構大変なのかも知れません。 さて、それはそれで今後も探すとして、 安価なノンブランド品のパワーLEDならば市場に溢れています。 当たるも八卦当たらぬも八卦で、 また懲りずに中華製パワーLEDを購入してしまいました。

 

  

これまで使っていた、多くのLEDをまとめて封止したタイプには懲りましたが、 このパワーLEDは 標準型のいわゆる3528チップLEDを10個半田付けしただけの単純な構造の上、 取り付けも簡単そうです。

 

さて、このパワーLEDの定格電圧は15V、 4個をシリーズ接続するので必要電圧は60V以上となり、 従来の回路の48Vでは電圧が足りません。 そこで Arduino 用の電源を供給している12VのAC-DCでゲタを履かせて60Vとします。 また定格電流値が異なるので定電流源の抵抗値も変更します。 具体的には以下の回路となります。

居間の方の回路変更部分(赤字)
食卓の方の回路変更部分(赤字)

 

最初は4つのパワーLEDを全て電球色にしましたが、 若干暗いので半分は白色にしました
電球色パワーLED 白色パワーLED

さて、これでしばらく様子を見ることにしましょう。

 

東芝のLED電球が故障しました 2024 Feb 2

ずっと以前、 家中の白熱電球をLED電球に取り替えた際、 どうせなら信頼できるブランドが良いと、 全て東芝のLED電球に取り替えました。 しかし、しばらく使っていると、 その内の2本がチラつくようになり、 とうとうつかなくなってしまいました。

故障した東芝LED電球↓
東芝LED電球 LDA16L-G/100W

 

ちょうど自分でもLED照明を作っていたので、 興味本位から分解してみました。

黄色のカバーを外します カバーの支柱を外します
東芝製のパワーLEDも外します
外したパワーLEDに給電してみると 点灯しますね
パワーLEDを元の場所に戻し給電してみると 点灯します
そこでパワーLEDを元の放熱金属に戻し密着し
カバーを付け組み立て直し通電します 点灯するようになりました

いったい何が悪かったのか? 適当なことなら言えますが結局分からずじまいです。 一つ言えるのは、 LED照明は従来の白熱灯や蛍光灯に比べ遥かに長い寿命があると言われますが、 それはLEDという半導体素子だけの話しであって、 その他部品も多く使われたLED照明としての寿命はまた別の話し、 と言うことでしょうか。

 

蛇足ながら、カバーがないと発光色が青いことについてですが、 下記の東芝の説明の通り、 オレンジのカバーに蛍光体が混ざっていてそこからも発光させているからのようです。 蛍光灯みたいですね。