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MC 昇圧トランスをようやく収容しました 2020 Oct 22

1980年代前半、オーディオ事業部にいた頃、 同じフロアーのデッキプレイヤー事業部の同期のBから 「タムラに 『何やってもいいからとにかく音質最優先で昇圧トランスを作ってくれ』 と言って試作したトランスが余ってるからお前に一つやるよ」てなことで、 FLT-139Jと書かれたMC昇圧トランスを入手しました。

以来40年弱の今日に至るまで、 私は、ずっとそのトランスでデンオンのMCカートリッジを聴いてきました。 確かに音は良いです。 そんなこの夏、ふと「FLT-139J」で検索して、 このトランスが、デンオンのMC昇圧トランス AU-320 に使われているトランスと同じ型名だと知りました。 というか、デンオンの製品の方が先に世に出ているので、 きっとこれは調子のいいBが話しを盛っただけかも知れません。 Bの奴め~(笑。

そんなMC昇圧トランスをようやくちゃんとシャーシに収めました。

実は、長らくこんな空中配線で使っていました、、
結線図
リードのアルミシャーシ 120×40×80 を加工し アトムペイントの水性スプレーで黒塗装し
シャーシ、昇圧トランス、Φ45コンデンサーバンド 信号線とアース線のループが小さくなるように束ね
出来ました
苦節40年弱、ようやくまともなMC昇圧トランスになりました(笑

MCカートリッジ デンオン DL-305 の針の観察 2020 Oct 11, Nov 15

MC昇圧トランスに続き、次はそれに接続されているMCカートリッジ DL-305 の針についてです。
購入したのは1982年11月10日、38年前です。 それにしても、針には寿命があると言いながら、 取説のどこにもどのくらいの時間使えるのか書いてありません。不思議な商品です。 (もっとも、時間が分かってもどう管理するのか難しいですが) いずれにせよDL-305は針交換(MCなので本体交換)がもう出来ないのが問題です。 交換できるなら交換してこの件からすっきり抜けられるのですが。

さて、レコード針の寿命について検索すると、 いろいろな方がいろいろ書かれています。 そんな中、以下の2つが参考になりました。

FIDELIX 中川伸さんの レコード針の磨耗を簡単に見る方法 によれば(簡単に見る方法自体は私には簡単ではありませんでしたが) 針の寿命については「塩化ビニールとダイヤモンドだけなら摩耗はしないが、 普通は小さな砂埃がダイヤモンドに衝突してダイヤモンド分子が少しずつ欠けていく、 デンオンDL-103Rで500時間~1000時間位」だそうです。 (詳しくはリンク先で全文をご確認ください)

日本オーディオ協会の JASジャーナル2016年9月号 の照井さん(ちなみに私が社会人になった時の同じ事業部の2年先輩です、懐かしい) のレポート DENON MC カートリッジ DL-103 ロングラン 52年の秘密に迫る によれば1000時間という目安が書かれています。

結局、こういった時間を自己管理するか、 針の摩耗を目視でチェックするしかないということですね。 そこで、一眼デジカメに接写リングを挟んでのマクロ撮影してみることにしました。 撮影した画像を拡大すれば摩耗が見えるかもです。

音楽の相棒であるDL-305を デジカメで接写してみます
カンチレバーの様子がよく分かるショット
上の写真の等倍表示
針の形状が比較的分かるショット
上の写真の2倍表示
楕円針の背からのショット
上の写真の2倍表示

う~む、結局よく分かりませんね(笑。

一眼デジカメに接写リングではこれが限界です。倍率が足りません。 ピントの甘さもさることながら、拡大しても解像度が足りません。 照井さんのレポートの59ページには「1000時間で幅約15μmの摩耗痕が出来る」 とありますが、15μmを目視で確認するには(デジタル)顕微鏡が必要のようです。

さて、いったいこの針はどんな状態なのやら。。